好きな「遊戯王の召喚口上」の話をしたい
人間だれしも「好きな召喚口上について語りたい!」という思いを胸に抱いているはずです。それはTwitterで定期的に「好きな召喚口上」みたいなタグがトレンドに上がることからも明白です。たとえこの定期的なトレンド入りが幻だったとしても、少なくとも私は常に好きな召喚口上について語りたい思いを抱いています。
TCGの販促アニメをいろいろ見ているアニメオタクですが、見てきた中で一番口上っぽい口上を言ってくれるのは、やはり遊戯王です。まず長さが違います。もはや文章です。呪文のように長~い召喚口上を言ってくれるアニメが遊戯王以外にあったら知りたいです。「口上は長ければ長いほどよい」と思っているわけではありませんが、とにかく長いだけあって印象にも残りやすく、それゆえ好きな召喚口上が非常に多いのが遊戯王です。
で、ここからが本題ですが、遊戯王の口上の中でも、私が特に好きなのが現行の作品「遊戯王ゴーラッシュ!!」の口上です。常々言っておりますが、ゴーラッシュの口上、特にユウディアスの口上は、ダントツ一番私に刺さります。次点で遊星の口上です。
前作SEVENSの口上は全般的に、カッコよさの中にもひとさじのかわいらしさがあったというか、クールなカッコよさに全振りしていない印象があったので、ゴーラッシュの口上もそういう感じかな~と思っていたら、度肝を抜かれました。ユウディアスの口上には総じて、真っ暗で広大な宇宙の、その中に宿る神秘性や、その暗闇に輝く星々のきらめき、そして一抹の不安が感じられる……と勝手に思っています。とにかく、多くてもほんの数十文字であろう口上たったひとつから、モンスターの体現する世界や文脈まで伝わってくる……ような気がするのです。もはや詩ではないかと思います。この神秘的であり、ほんのすこし不穏でもある口上を、100%光属性かつたまに幼児ムーヴをするユウディアスが言うというのが、またいいですね。
さて、前置きが長くなりましたが、ユウディアスの口上の中でも特に好きなものを(本当は「ひとりだけなんて選べないよー!」という気持ちですが)いくつかピックアップしたので、ご紹介します。
(録画を焼いたブルーレイを見返しながら、ただただ登場順にユウディアスの口上を書き写した記事はこちら。)
ギャラクティカ・オブリビオン
記憶の船が忘却の宇宙を(そら)巡るとき
天に渦巻く星々が、胸にその名を呼び覚ます
飛来せよ
言わずと知れたユウディアスのエースですね。オブリビオンの召喚口上をはじめて聞いたとき、私がどれほど感動したか、言葉では語りつくせません。
彼の口上には、右も左もわからない真っ暗闇の中から、希望に満ちた輝きがあふれ出るような、そういったイメージを抱かせるものが多いと勝手に思っています。オブリビオンの口上もそうですね。また、多くのユウディアスの口上には「忘却」「宇宙」というテーマが盛り込まれており、世界観が統一されているところも好きポイントです。
ギャラクティカ・サイフォス(※装備魔法)
昔々、遥か遠い銀河の果て
星々の輝きから生まれし、一振りの刃
このあと、「今、ユウディアス・ベルギャーの名のもとに○○に授ける」と続きます。この「××の名のもとに~」の部分は、装備魔法の口上のあとに続く全キャラ共通の口上です。「○○に授ける」の部分はキャラによってちょっと変化します(例えばズウィージョウなら「○○に供与する」だった気がします)が、とにかくこの口上が2段構えなところが好きです。「鏑木チュパ太郎の名のもとに~」とかも聞いてみたいです。サイフォスに無関係な話になってしまったので、「××の名のもとに~」の話はここらへんでやめます。
昔々に遥か遠い銀河の果てで星々の輝きから生まれたサイフォス……めちゃくちゃ神秘的じゃないですか!? それでいて、神秘的であるということは、同時にその正体がわからないということでもあります。そう思ってしまうと、一抹の不安がよぎるところも好きなのです。
ギャラクティカ・タブララサ
深き宇宙のさらに果て
完全なるアビスより、その理をあらわせ
いでよ、無垢なる聖典
「無垢なる聖典」……「無垢なる聖典」って!!! この口上を聞くたび、心の中の中学2年生の私が大興奮しています。「深き宇宙の~」の部分も中二度が高すぎて大好きなのですが、特に最後の「いでよ」のあとに「無垢なる聖典」と続くところが、私を狂わせます。召喚口上を省略するときも「無垢なる聖典」の部分は言ってくれるので、省略パターンのときでさえカッコいい、最高の口上です。
エターナル・ギャラクティカ・オブリビオン
心を砕く刃も、記憶も、運命も
この胸にすべてを受け止めよう
そして進むは、未来へ連なる銀河の道
ギャラクティカ・アムネジアや、バニシング・ヘリアカルライザーの口上もそうですが、暗い現状があったとしても希望の光が見えるような、そんな印象を抱かせる口上だと感じます。「○○も、××も、△△も」という言い回しに遊我と重なる部分をすこし感じて、それも好きです。
あと、口上には関係ないですが、「刃も、記憶も、運命も」にあわせて、3体のモンスターが一度こっちを見てから画面の奥に一体ずつ飛び去って行くというアニメーションも好きです。
トランザム・ライナック・オーバーライト
その勇ましさ、雷(いかづち)さえも
その眩さ、輝きさえも
その俊足、光さえも
超えていけ
シンプルに「その○○、××さえも」という言い回しを3回重ねている点が好きです。最後の「超えていけ」で締まるのも、クールですねえ……。
ダークネス・ギャラクティカ・オブリビオン
忘却の彼方に捨てられし船よ
深遠なる闇の果てより、その名を叫びて飛来せよ
クァイドゥール版の口上(「今、新たな戦いを前に 銀河を超えて舞い戻る 記憶の名を携えし光の船」。かなりクァイドゥールナイズされていると思います)もありますが、私は断然こっちのが好きです。なぜならギャラクティカ・オブリビオンの口上が意識されているな~と感じるからです。シンプルに闇落ち版オブリビオンの口上という感じがして、かなり好きです。
トランザム・パワーライナック
銀河の北風吹きすさぶ
町から町へ、星から星へ
あてどもなく、アテンドもなく今日も行く
西尾維新氏のことはよく知りませんが、「あてどもなく、アテンドもなく」の部分が「私の想像する西尾維新」みたいで好きです。
ギャラクティカ・ロストオブリビオン
忘却の宇宙を渦巻くきらめき
その向こうに答えがあるというのなら
すべてを捨ててこの身を任せよう
1年目に出てきたモンスターの、暗闇の中に光が感じられる口上とは完全に別物だと感じます。だって「すべてを捨ててこの身を任せよう」ですよ。うーん、破滅的なカッコよさがあります。
ギャラクティカ・オブリビオン・アーク
果つる銀河の岸の辺に
朽ちゆく記憶は波の跡
その刻まれし船の名は
シンプルにリズムがいいというのが最大の好きポイントです。もちろん、言葉の中身も最高です。先述のロストオブリビオンとあわせて見てみると、口上の方向性の変化がハッキリ感じられていいですね。デーモン入っちゃってる系が大好きです。中学2年生なので……。
ディスカルマ・リチュアル(※リチュアル魔法)
それがしは認めぬ
それがしは拒絶する
進むべきロードなどアカンベイヤーであり
大いなる成長などクソクラーエであり
それがしに何かさせようなど……
このあと、ひとしきり苦しんだあとに魔法を発動します。この流れから察するに、苦しむフェイズがなければ、「それがしに何かさせようなど……」のあとには何か言葉が続くのだろうと推測できますが、結局何も言わずに終わります。そういう変な切れ方をしたので、この口上をはじめて聞いたときは、「これは本当に口上なのか……?」と疑問に思っていました。2回目にこのカードを使った時も全く同じ文言を言っていたのを見てはじめて「これはやはり口上だったのだ」と勝手に確信しました。
これまで神秘的で、でもやや陰のある、100%クールなカッコよさに全振りした口上を述べてきたユウディアスの口上なんですね、これ。彼の様子がおかしくなっていることがよく表れていると思います。このわけのわからない口上を最後まで言い切らず、ひとしきり苦しむところまでがセットのようです。うおー、刺さります。
以上です。他の口上も大好きなので、暇なときにまたメモを増やしていきたいですね。
「遊戯王のアニメは追っているが、ラッシュのアニメは1ミリも見ていない」という方はこの世に多く存在していると思われますが、このオサレ口上を聞き逃すのはもったいないですよ。「遊戯王ゴーラッシュ!!」、見てください。
コメント
コメントを投稿